南阿蘇でコーヒーを育てる|8月、一か月で大きくなったチェリーと自然に芽生えたコーヒー

南阿蘇でコーヒーを育てる|8月、一か月で大きくなったチェリーと自然に芽生えたコーヒー

南阿蘇・後藤コーヒーファームを8月に訪問。一か月で目に見えて大きくなったコーヒーチェリー、木の根元から自然発芽した苗、育苗トレーの発芽率、3年目の木の着果、真夏の水管理を記録します。


目次
  1. 一か月で大きくなったコーヒーチェリー
  2. 8月の南阿蘇と、真夏のコーヒー栽培
  3. 今回も脇芽摘み
  4. 木の下に、小さなコーヒーが芽を出していた
  5. 自然発芽と、人の手で育てるコーヒー
  6. 3年目のコーヒーの木にもチェリー
  7. コーヒーハウスの隣ではオクラの花も
  8. 一か月という時間が見せてくれた変化
  9. あわせて読みたい

8月8日、約一か月ぶりに南阿蘇の後藤コーヒーファームを訪れました。

訪問前には熊本県内で地震があり、心配していました。私自身は幸い大きな影響はありませんでしたが、後藤さんによれば、農園周辺では目立った被害はなかったとのことでした。一方で、県内には大きな被害を受けた地域もあり、被災された皆さまの生活が少しでも早く落ち着くことを願っています。

なお、この日は農園に向かう前に、新阿蘇大橋のたもとにあるkibaco(南阿蘇自然派ソフト2号店)へ寄り道しました。

前回訪れたのは7月。夏を迎えたコーヒーの木には小さな緑色の実がつき始めていましたが(7月の訪問記事)、それから一か月ほどで、コーヒーチェリーは目に見えて大きくなっていました。

特に印象的だったのは、私がオーナーとして見守っているコナ由来のコーヒーの木です。 枝にはたくさんの緑色のチェリーが連なり、一か月前よりも明らかに実がふっくらしています。

そして今回、もう一つ面白いものを見つけました。 木の根元から、植えた覚えのない小さなコーヒーの木が芽を出していたのです。

南阿蘇で育つコーヒーの、真夏の姿を記録します。

一か月で大きくなったコーヒーチェリー

コナ由来のオーナーの木、8月時点の全景

前回の訪問から約一か月。 コナ由来のオーナーの木を見ると、まずチェリーの数と大きさに驚きました。 枝の節ごとに緑色の実がまとまり、房のようについています。

節ごとに房状につく緑色のコーヒーチェリー(コナ由来の木)

7月に見たときよりも、一粒一粒が明らかに大きくなっています。 まだ鮮やかな緑色なので収穫までは時間がありますが、「花が咲き、小さな実になり、それがコーヒーチェリーらしい形へと育っていく」という変化を実際に追えるのは、継続して農園を訪れているからこその面白さです。

別の木を見ると、さらに多くの実を鈴なりにつけた枝もありました。

南阿蘇のコーヒー農園、枝に鈴なりの緑色のコーヒーチェリー

節の周囲を取り囲むように実っています。 普段、私たちが目にするコーヒーは焙煎された茶色い豆ですが、その豆が入っている果実がこうして木の上で育っている姿を見ると、いつもの一杯までの距離が少し縮まったように感じます。

8月の南阿蘇と、真夏のコーヒー栽培

今年の夏は南阿蘇でも暑い日が続いています。 後藤さんによると、日中の気温が高い日が続くと、やはりコーヒーの木にも負担がかかるようで、晴天が続く時には水をまいて管理しているとのことでした。 今回訪問した8月8日は、前日に雨が降っていたため水やりは必要ありませんでした。

また、この日の南阿蘇の最高気温は29℃ほど。 台風の影響もあって風が強く、ハウスの中にも風が通っていました。空も曇っていたため、前回7月に作業した時と比べるとずいぶん過ごしやすく感じました。

コーヒーというと暑い国で育つ植物というイメージがありますが、「暑ければ暑いほど良い」という単純なものではありません。 実際に木を見ながら話を聞いていると、日本の夏の高温の中でコーヒーを育てるには、日々の細かな管理が必要なのだと感じます。

今回も脇芽摘み

チェリーだけでなく、枝や幹から伸びる脇芽も、この一か月でかなり増えていました。 今回も前回と同じように、脇芽を見つけて摘んでいきます。 樹形や実の成長を考えながら、今回も伸びてきた脇芽を整理していきました。 一か月前に作業した木でも、新しい芽は次々と伸びていました。

コーヒー農園というと収穫時期の赤いチェリーが注目されがちですが、実際にはこうした日々の管理が長く続いた先に収穫があります。

木の下に、小さなコーヒーが芽を出していた

そして今回、一番興味深かった出来事がこちらです。

木の根元から自然発芽した小さなコーヒーの苗

オーナーのコーヒーの木の根元を見ると、小さなコーヒーの苗が生えていました。 後藤さんによると、これは意図的に植えたものではなく、自然に落ちたコーヒーチェリーから発芽したものだそうです。 おそらく5月頃に落ちたチェリーではないかとのこと。

周囲を探してみると、一株だけではありません。 他のコーヒーの木の足元にも、小さなコーヒーがちらほらと芽を出していました。

栽培されている木から実が落ち、その種から次のコーヒーが自然に芽生える。 当たり前の植物の営みではありますが、それを南阿蘇の農園で実際に目にすると、とても印象的でした。

自然発芽と、人の手で育てるコーヒー

一方、後藤さんはコーヒーの種を使った育苗も行っています。

育苗トレーで管理されているコーヒーの発芽苗

こちらは自然発芽とは違い、一つずつ区切られた育苗トレーから伸びるコーヒー。 種から細い茎が伸び、その先に種子を残したまま立ち上がっているものや、すでに緑色の葉を開き始めているものがあります。

後藤さんによると、ここでの発芽率はおよそ7割。 以前聞いたハワイでの例では5割ほどだったそうで、それと比べると比較的高い発芽率になっているようでした。

※発芽率については栽培条件や種子の状態などによって変化するため、ここでは今回農園で伺った事例として紹介しています。

木の下から自然に生えてきた苗と、育苗トレーで管理されながら育っていく苗。 同じ日に両方を見ることができたことで、コーヒーの「次の世代」が生まれる過程まで見ることができました。

3年目のコーヒーの木にもチェリー

もう一本、継続して見ている3年目のコーヒーの木も大きくなっていました。

3年目のコーヒーの木につき始めた数個のチェリー

こちらには、まだ数は多くありませんが、数個のコーヒーチェリーがついています。 多くの実をつけているコナ由来の木と比べると違いは大きいものの、若い木にも果実がついているのを見ると、少しずつ木が成熟していることが感じられます。

同じ農園の中でも、木の年齢や状態によって実のつき方はかなり違います。 こうした違いも、これから継続して観察していきたいところです。

コーヒーハウスの隣ではオクラの花も

コーヒーハウス脇で咲くオクラの花

コーヒーハウスの隣では、オクラも育っていました。 淡い黄色の大きな花の中心に濃い色が入り、思っていた以上に華やかな花です。

この日、後藤さんから採れたオクラをいただきました。 自宅に帰ってから茹でて食べましたが、とても新鮮で美味しいオクラでした。

コーヒーの木だけを見て帰るのではなく、こうした農園周辺の季節の植物に出会えることも、訪問の楽しみの一つになっています。

一か月という時間が見せてくれた変化

今回の訪問で特に感じたのは、一か月でも植物の姿はこれほど変わるのだということでした。 一か月前にはまだ小さかったコーヒーチェリーが大きくなり、脇芽は再び伸び、木の足元では落ちたチェリーから新しいコーヒーが芽を出しています。 一方で、夏の高温が続けば水の管理も必要になります。

コーヒーチェリーが赤く熟し、収穫できるようになるまでには、まだ時間があります。 普段飲んでいる一杯のコーヒーになるまでに、その木がどんな季節を過ごし、どのように実を育てていくのか。

次回の訪問日はまだ決まっていませんが、都合のつく日程が見つかり次第、また農園を訪れる予定です。これからも定期的に南阿蘇を訪れ、コーヒーの木が季節とともに変化していく様子を記録していきたいと思います。

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