— 更新:
後藤コーヒーファーム(南阿蘇)とは?阿蘇珈琲・オーナー制度・見学方法を紹介
熊本・南阿蘇でコーヒーを育てる後藤コーヒーファームを紹介。元高校教師・後藤さんの「阿蘇珈琲」への想い、コーヒーの木のオーナー制度、見学の申し込み方法、阿蘇珈琲を味わえる場所までまとめます。
目次
「熊本・阿蘇でコーヒーを育てている農園がある。」最初に知った時、正直驚いたと同時にワクワクしました。それが 後藤コーヒーファーム です。
コーヒーといえばブラジルやエチオピアのイメージが強く、熊本・阿蘇で栽培しているという発想自体がなかったからです。後藤コーヒーファームでは、阿蘇の自然環境を活かしながら、実際にコーヒー栽培を行っています。しかも単なる”珍しい国産コーヒー”ではなく、
- 阿蘇の自然を活かした「阿蘇珈琲」
- コーヒーの木の「オーナー制」
- 元高校教師・後藤さんの地域への想い
など、“物語のあるコーヒー”として全国から注目を集めています。
阿蘇でコーヒー?「阿蘇珈琲」という挑戦
後藤コーヒーファームの最大の特徴は、熊本・阿蘇でコーヒーを育てていることです。阿蘇は寒暖差が大きく、冬も寒い地域で、本来コーヒー栽培には決して適した環境とは言えません。
そんな中、後藤さんは2002年に高校へ赴任したことをきっかけに、生徒たちと地域の新しい特産品づくりをスタート。試行錯誤を繰り返しながら、コーヒー栽培へ挑戦してきました。「阿蘇の湧き水」や「草原野草堆肥」を活かし、阿蘇の自然や景観維持にもつながる新たな特産品開発として取り組んでいます(後藤コーヒーファーム公式サイトより)。
2026年10月に届いた農園通信では、これまでの歩みが次のように紹介されていました。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 2012年 | 「輸入珈琲を国産で」という思いで、高校生と栽培を開始 |
| 2018年 | 地震復興への思いもあり、南阿蘇村に現在のファームを開園 |
| 2020年 | 珈琲栽培と南阿蘇の魅力を感じてもらうため、オーナー制を開始 |
熊本地震から10年となる節目には、南阿蘇村の地獄温泉青風荘にあるカフェにて、後藤コーヒーファームのコーヒー豆100%の「阿蘇珈琲」の提供が行われました。私も参加したかったのですが、平日のため参加できず。次の機会にはぜひ参加したいと思っています。
コーヒーの木の「オーナー制」が面白い
後藤コーヒーファームを語る上で外せないのが、「コーヒーの木のオーナー制」です。自分専用のコーヒーの木を持つことができる仕組みで、収穫された豆は自分のコーヒーとして楽しむことができます。
しかも希望者は栽培・収穫から精製、焙煎、抽出まで体験可能です。まさに「木から杯まで」なのです。県外にも多数のオーナーがいるようで、万が一収穫に行けなくても、収穫できた豆を焙煎して発送してもらうことも可能です。収量を上げるための剪定や土づくり研修なども実施していただけるのも魅力です。私としては都合をつけてぜひ参加したいと思っています。
2026年度は、収穫期を前にした焙煎体験の研修会も案内されました。今年は11月と12月ごろに1回ずつ、2時間程度の予定です。対象はオーナーなどの関係者で、一般向けのイベントではありません。このほか、農園の様子をまとめた「農園通信」もオーナーに届きます(内容の一部はオーナーツリー選定の記事で紹介しています)。
費用や申し込みの流れ、農園とオーナーの作業の分担など、私が契約したときのオーナー制度の内容は、オーナーツリー選定の記事にまとめています。
後藤さんの人柄とストーリーが魅力
後藤コーヒーファームの魅力は、コーヒーだけではありません。後藤至成さんは元高校教師。農業高校で生徒たちと一緒に地域活性化のための作物研究を行う中で、コーヒー栽培にたどり着きました(note記事参照)。
さらに熊本地震も経験され、被災をきっかけに「地域復興に貢献したい」という想いがより強くなったそうです(ライブドアニュース参照)。
印象的なのは、“コーヒー栽培と教育は似ている”という後藤さんの言葉です(TBS NEWS DIG参照)。
植物も子どもも、日々変化を見続けることで応えてくれる――。
実際にお会いした後藤さんは気さくな方で、阿蘇のことやコーヒー栽培のことを丁寧に楽しく教えてくださいました。まるで自分も高校生に戻ったような、夢に向かって挑戦する青春の躍動感を分けてもらえた気がしました。
高校や農業団体の研修も受け入れています
後藤コーヒーファームは、コーヒーを育てるだけの場所ではありません。農園通信によると、高校や農業団体、個人の方を対象にした研修で、今年も多くの人が訪れているそうです。元高校教師という後藤さんの経歴とも重なる取り組みです。
栽培の様子|草原の野草と堆肥で育てる
同じ農園通信には、栽培のようすも紹介されていました。
- 阿蘇の草原の野草を散布:阿蘇の草原維持活動の一環として、毎年野草を散布しているそうです。野草は土の保温や保水、雑草の抑制に役立ち、土に有用な微生物を増やしてくれるとのことで、オーナーも草原の維持活動に協力していることになる、と書かれていました。
- 堆肥づくり:牛糞堆肥、鶏糞堆肥、米ぬかを定期的に散布しています。大学の農学部の学生が、毎年手伝いに来てくれているそうです。
- 栽培方法:有機栽培・無農薬栽培で管理していると紹介されています。
- 隣の畑:夏はトマトやナスなどの野菜を、秋冬はサツマイモや白菜などの野菜を育てています。ほかにも、クラフトビールのホップや、食パン用の小麦「キタノカオリ」も栽培しているそうです。
「国産コーヒー」を超えた価値がある
正直、国産コーヒーは量産できるものではありません。後藤コーヒーファームでも「オーナー様のコーヒー」という考えを大切にしており、一般販売は限定的です(後藤コーヒーファーム公式サイトより)。だからこそ価値があります。
阿蘇の自然、地域復興、人とのつながり、コーヒー栽培への情熱——それら全部が、一杯のコーヒーにつながっている。単なる”高級コーヒー”ではなく、「ストーリーを味わうコーヒー」なのかもしれません。
農園を見学するには
私がはじめて後藤コーヒーファームを訪れたのは、オーナーになる前の2025年11月でした。そのときの流れと、公式サイトに書かれている見学のルールをまとめます。
公式サイトの案内
後藤コーヒーファームの公式サイトでは、ハウスの見学を希望する場合は、必ず事前に連絡するよう案内されています。希望日時・名前・連絡先を添えて、1週間以上前に連絡が必要で、後藤さんがお一人で管理しているため、当日の申し込みや予約なしの見学はできないとのことです(2026年10月に確認)。
私の場合
- 申し込み方法:公式サイトのお問い合わせから、メールで連絡しました
- 当日の内容:後藤さんに農園を案内していただき、オーナー制度について直接お話を伺いました
- かかった時間:1時間ほどだったと思います
- 費用:初回の見学では、費用はかかりませんでした
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申し込み | 公式サイトのお問い合わせから(私はメールで連絡) |
| 事前連絡 | 必須。1週間以上前(公式サイトの案内) |
| 当日・予約なしの見学 | 不可(公式サイトの案内) |
| 所要時間 | 約1時間(私の場合) |
| 費用 | 初回見学はかからなかった(私の場合) |
※見学の条件は変わる可能性があります。訪問を考えている方は、必ず公式サイトで最新の案内を確認してください。
実際に農園を見て、後藤さんのお話を直接聞けたことが、オーナーになると決めるきっかけになりました。
阿蘇珈琲を味わうなら
実際に訪問の際、H_NNTO COFFEE で阿蘇珈琲をいただきました。地獄温泉青風荘の敷地内にある小さなカフェで、後藤さんの教え子がされているお店です。時期によっては後藤コーヒーファームのコーヒー豆100%の阿蘇珈琲が飲めます。H_NNTO COFFEEと青風荘については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

また南阿蘇の新阿蘇大橋近くにある地域密着型の 井手商店 でも、希少ですが10gずつでコーヒー豆やドリップパックを購入できることがあります。井手商店で購入した阿蘇珈琲は、阿蘇珈琲を自宅で飲んでみた記事で紹介しています。もし阿蘇に行く機会があるなら、ぜひ足を運んでみてください。

また、南阿蘇村の「みなみあそ元気フェスタ『あつまり~ん祭』」は、2026年10月31日(土)に南阿蘇中学校ほかで開催される予定です(南阿蘇村の案内より)。農園通信によると、阿蘇珈琲生産者の会としてこのイベントに参加し、100%阿蘇珈琲の提供や焙煎体験会を行う予定とのことです。この焙煎体験会は、農園で行うオーナー向けの焙煎体験研修会とは別のイベントです。


