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コーヒーの木のオーナー制度とは?費用・申し込みの流れと、南阿蘇でオーナーツリーを選んだ日
南阿蘇・後藤コーヒーファームの「コーヒーの木のオーナー制度」に申し込んだ体験談。年会費や期間、申し込みから木を選ぶまでの流れ、農園との作業分担や訪問頻度、オーナーツリー選定の日の様子まで紹介します。
目次
この記事では、コーヒーの木のオーナーになろうと思ったきっかけから、実際に南阿蘇の後藤コーヒーファームを訪問し、
- コーヒーの木のオーナーになろうと思った理由
- 雨の南阿蘇コーヒー農園へ訪問
- オーナーツリー選定の様子
- コーヒーチェリー収穫体験
について、実際の体験を元にご紹介します。

コーヒーの木のオーナーになろうと思ったきっかけ
ある日、ふと気づいたら「このままでいいのか」と自問していました。40代会社員、学生の頃からコーヒーを愛飲してきた筋金入りのコーヒー好きです。
数年前から自家焙煎を細々と始めました。といっても専門店に対抗できるレベルではなく、自己消費か、気が向いた時に知人に贈る程度のもの。それでも豆を挽いて香りを楽しむ時間は、忙しい日常の中での数少ないリセットの時間でした。
そんな中、「コーヒーを川上から、つまり栽培から関わることはできないだろうか」とふと思ったのです。母の実家が農家だったこともあり、土を耕して何かを育てることへの憧れは昔からありました。コーヒー豆を自分で育てて、焙煎して、誰かに届ける。そんなイメージが頭の中で広がりはじめました。
ただ日本でコーヒー栽培は困難だろうと思いながら半信半疑でweb検索してみると、すぐにあるコーヒーファームがヒットしました。国産コーヒーといえば沖縄、というイメージしかなかった私には驚きでした。南阿蘇——意外と近い場所で、コーヒーが栽培されていたのです。さっそくサイトを調べてみると、オーナー制度があることを知りました。
こうして申し込んだオーナー制度で、実際に自分の木を選びに行ったのが、ここからの記録です。
オーナー制度の内容(私が契約した2026年度の場合)
オーナーになる前に知りたかった費用や流れを、私が契約した2026年度(令和8年度)の案内と契約書をもとにまとめます。条件は年度によって変わる可能性があるため、最新の募集内容は後藤コーヒーファームの公式サイトで確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用 | 1本あたり年会費33,000円 |
| 期間 | 1年間(私の契約は2026年5月15日〜2027年5月14日) |
| 木の選び方 | 5月に農園で自分で選ぶ(農園に選んでもらうこともできる) |
| 日常の管理 | 後藤コーヒーファームが行う(契約書では「共同で行う」) |
| 収量の目安 | 1本あたり生豆100g(約10杯分)が目標 |
| 収穫 | できる限りオーナー自身で。収穫した果実の数を記録簿に記録する |
| 来られない場合 | 農園が収穫し、生豆や焙煎した豆を郵送してもらえる |
| 研修・案内 | 収穫期前の焙煎体験研修会や農園通信などの案内が届く(2026年度の例は下で紹介) |
| 収量が足りない場合 | 他の阿蘇珈琲の木の豆や、カスカラ(果皮)ブレンドコーヒーで補う(新品種の木は補填なし、カスカラブレンドのみ) |
| 収穫が見込めなくなった場合 | 自然災害や病害虫などの場合は、返金か次年度への持ち越しを選べる |
| 途中解約 | オーナー側の都合の場合、年会費は返金されない |
申し込みから木を選ぶまでの流れ(2026年度の案内より)
- 12月1日から予約受付。公式サイトのお問い合わせから「予約表希望」と連絡する
- メールで届く予約表に記入して返送すると、予約登録の順番が連絡される
- 3月ごろ、予約順に契約の案内が郵送で届く。契約書を返送し、期限までに入金すると正式な契約になる
- 5月に農園で、オーナーになる木を選ぶ
本数に限りがあり、希望者が多い場合はキャンセル待ちになるとのことです。私もサイトからメールで申し込みました。
農園とオーナーの作業の分け方
普段の管理は後藤さんが行ってくださいます。訪問したときには、その時期に必要な管理の方法や、脇芽摘みなどの作業を教えてもらえます。花を眺めたり、脇芽をお茶にしたりと、自分の木を自由に楽しめるのもオーナー制度のよいところです。
訪問の頻度
訪問の頻度は基本的に自由です。私は仕事の都合に合わせて、月に1〜2回ほど通っています。遠方のオーナーの方も多く、年に1回の方や、一度も来られない方もいるそうです。その場合は、後藤さんが収穫して豆を郵送してくださいます。また、自分の木の様子を見たいときは、メールで希望すれば写真を送ってもらえるとも案内されています。
ハウスに入るときは、事前に連絡して了解を得ることが契約書でも決められています。後藤さんのご都合もあるので、私は訪問の2週間以上前にメールで、希望日に伺えるかどうかを確認するようにしています。
収穫について、まだ分からないこと
収量の目標は1本あたり生豆100gですが、私の木から実際にどれくらい収穫できるかは、まだ分かりません。案内によると、収穫や焙煎は冬以降になる見込みです。収穫できたら、その結果もこのブログで記録します。なお、2026年10月に届いた農園の案内では、コーヒーが成熟期を迎え、早いものは12月から収穫が始まりそうとのことでした。
オーナーに届く案内|農園通信と焙煎研修会
契約したオーナーには、農園からの案内がメールで届きます。2026年10月には、「第1回後藤コーヒーファーム通信」(10月12日付)と、焙煎体験研修会の案内をいただきました。
農園通信で知ったこと(一部)
- 開花:今年は5月にいちばん多く花が咲き、その後も9月まで、おおよそ半月おきに開花が続いたそうです。
- 日々の作業:脇芽摘みは年間を通じて行い、カイガラムシは動力噴霧器で水を当てて洗い落とします。灌水は1ハウスに2時間ほどかけてたっぷり与えます。今夏は猛暑の上に2か月ほど雨が降らなかったため、1週間おきに灌水したとのことです。
- 今後の栽培方針:昨年から、継続的に収量を増やすことを目的に、株元から切り戻すカットバック剪定や、株元から元気な脇芽を育てて枝を増やす方法に取り組んでいます。
焙煎体験研修会
収穫期を前に、コーヒー豆の焙煎を体験できる研修会も案内されました。今年は11月と12月ごろに1回ずつ、2時間程度の予定です。対象はオーナーなどの関係者で、定員もあるため、一般の方が参加できる催しではありません。
一般の方向けには、2026年10月31日(土)に南阿蘇村で開かれる「あつまり~ん祭」で、阿蘇珈琲生産者の会による焙煎体験会が予定されていると、農園通信にありました。農園で行うオーナー向けの研修会とは別のイベントです。現時点では、南阿蘇村の案内に阿蘇珈琲や焙煎体験の記載は確認できませんが、今後情報が更新される可能性があります。興味のある方は、あつまり~ん祭の公式情報をご確認ください。
雨天の農園訪問の様子
この日は二回目のコーヒー農園訪問でした。最初は2025年11月、ひと目コーヒー農園をみてみたいと思い、オーナーになる前に後藤さんに連絡をとり見学させてもらいました。その時の感動が思い出され、前々から2回目の訪問、つまりオーナーツリー選定の日を心待ちにしていました。
雨に煙る南阿蘇の山々を背景に、ハウスが静かに立っていました。やっとここまで辿り着いたという思いと同時に、これから始まる自分の新たな珈琲人生を思うと楽しくてたまりません。

半年ぶりに後藤さんにお会いしました。事前にメールで自宅でポリポットで育てているコーヒーの木の葉先が枯れてきている旨を伝えていたのですが、早速自分のポリポットの木をみてくださいました。その時の様子は自宅でコーヒーの木を育てた記事にまとめています。
1本目のオーナーツリー選定(ティピカ/ブルボン)
その後コーヒーの木の選定に移りました。私は2本契約していたので、1本目は農園で自生したコーヒーの木、おそらく3年目ぐらいの木を選びました。後藤さんによると、地面に落ちたコーヒーチェリーが自然と発芽して大きくなったものであり、丈夫な木なんだそうです。背丈は私より少し低いぐらいです。まだ実がなったことがなく、幹も細いです。この木の品種はティピカまたはブルボンだそうです。コーヒーの木は一般的に3〜5年で結実すると言われており、この木もこれからが楽しみです。実際、節には花芽があり、花が咲くと実がなるので結実が期待できそうでした。
風で倒れないように少し太めの緑色の支柱に変えて、幹を支えるようにしました。

カイガラムシとすす病の説明
⚠️ この先、虫の写真が含まれます。苦手な方はご注意ください。

一部葉っぱの裏にカイガラムシがついていました。後藤さんに教えてもらいましたが、カイガラムシは白く、すす病の原因になるそうです。すす病は、植物の葉や茎、果実に黒いすす(カビ)がつく病気。害虫が排泄する糖分にカビ(糸状菌)が繁殖することが主な原因です。雨に弱いので、これからの時期はあまり問題にはならないようでした。アブラムシもついていましたが、同様に雨に弱いとのことです。今の季節は天井ビニールを外していますが、冬場は屋根をすることになるので繁殖しやすいのだそうです。
2本目のオーナーツリー選定(コナ由来の木)
もう1本は、後藤コーヒーファームで「コナ由来の木」と呼ばれている木の中から1本選びました。「コナコーヒー」といえばハワイ産の高級コーヒーとして有名ですが、この木はハワイで育ったものではありません。後藤さんが知人から譲ってもらった木が、今では大きく育っているのだそうです。
※「コナコーヒー」は本来、ハワイ・コナ地区産のコーヒーを指す呼び名です。この記事の「コナ由来の木」は後藤コーヒーファームでそのように呼ばれている木で、品種・系統は確認できていません。
阿蘇で育つコナ由来の木。いったいどんな味になるのだろう、と今から楽しみです。

選んだコナ由来の木は、私の身長より高い大きな木でした。おそらく6〜7年ほどは経っているでしょうか。節には花芽が多数ついていました。コーヒー豆がある程度取れるだろうとのことでした。実が少し残っていたのですが、もう全部とった方が良いとのことだったので実を採りました。収穫の時期はほぼ終わっていてわずかでしたが、フレッシュなベリーを摘んでいるような感覚でした。硬めのぷりっとした実を一つ一つ採っていきました。完熟しているのが1個、赤色にやや緑が混じっているものなど全部合わせて10個程度獲れました。
収穫したコーヒーチェリーを萩焼の鉢に入れてみました。コーヒーの木選定にきて、予想外にいきなり収穫体験ができたと言うべきでしょうか。まさか収穫まで体験できるとは思っていませんでした。収穫したコーヒーチェリーは、果肉をカスカラにして飲んでみました(カスカラを作った記事)。

オーナーツリーを選び、予想外の収穫まで体験できたこの日は、自分の新たなコーヒー人生が始まったと感じた一日でした。



