コーヒーの木の脇芽摘み|雨の日の農園作業とすす病(黒いカビ)対策

コーヒーの木の脇芽摘み|雨の日の農園作業とすす病(黒いカビ)対策

南阿蘇・後藤コーヒーファームで体験したコーヒーの木の脇芽摘み。節にできる黒いカビ=すす病への木酢液・歯ブラシでの対処や、3年目のオーナーツリーで摘むか迷った話まで、雨の日の農園作業を記録しました。


この記事でわかること

  • コーヒーの木の「脇芽摘み」とは何か、なぜ行うのか
  • 節(葉腋)にできる黒いカビ=すす病への対処方法
  • 木酢液の使い方と、歯ブラシでの地道な掃除の様子
  • 3年目のオーナーツリーで「摘むか・摘まないか」を迷った話

※今回の作業は、南阿蘇・後藤コーヒーファームで後藤さんに教わりながら行ったものです。あくまで一個人の体験記録としてご覧ください。

※すす病とは、葉や枝、実の表面が黒いすすをかぶったようになる病気で、カイガラムシなどの排泄物にカビが繁殖して起こることがあります。

雨の強く降る日に、南阿蘇の後藤コーヒーファームへ行ってきました。本来なら、こんな大雨の日にわざわざ脇芽摘みをする人は少ないと思います。平日はなかなか時間が取れない私の都合に合わせて、後藤さんがご指導くださいました。感謝しかありません。

雨の南阿蘇・後藤コーヒーファームへ

この日はあいにくの本降り。農園のあちこちに水たまりができ、遠くの山は雲が近くまで降りてきて、ほとんど見渡せないほどでした。ハウスの中も通路に水が溜まり、長靴が欠かせない一日です。

雨のハウス・水たまり・霞む山

それでもハウスに入れば、コーヒーの木は雨の雫をまとって生き生きとしていました。濡れた葉が光を受けて、いつもより鮮やかに見えます。

コーヒーの「脇芽(わきめ)」摘みとは

脇芽は、枝の節(葉の付け根=葉腋)から新しく伸びてくる若い芽のことです。緑色が明るく、本来の枝とは見た目が違うので、慣れると見分けやすいです。この日は雨の雫がついて、緑がいっそう鮮やかで綺麗でした。

明るい緑の脇芽の若葉

脇芽をそのままにすると、木の栄養がそちらに取られてしまいます。実をしっかり育てたい木では、余分な脇芽を摘んで、エネルギーを枝や実のほうへ向けてあげるのが狙いです。

※ただし、若い木では摘まないこともあります(3年目の木の話は後述します)。

節の黒いカビ=すす病への対処

枝の節(着果部分)をよく見ると、ところどころ黒くなっている部分があります。これが「すす病」と呼ばれる黒いカビです。冒頭でも触れたとおり、すす病はカイガラムシなどの排泄物(甘露)に発生しやすく、実際にこの着果部分にカイガラムシが付いていることもあります。

節の黒い部分と歯ブラシ・木酢液のボトル・背負い式の散布機

後藤さんに教わった本来の方法は、木酢液を使った掃除です。木酢液を50倍ほどに薄め、霧吹きの先を細くして水鉄砲のように、黒くなった部分へ勢いよく当てます。こうすると、水圧で黒いカビを物理的に飛ばして洗い流しつつ、酸の力も借りるという二段構えになります。酸が効くタイプのカビには一定の効果が期待できるとのことですが、濃度や使用方法は植物の状態によって変わるため、自己判断で強く使いすぎない方が良さそうです。晴れた日のほうが効果的だそうです。農園には10Lほどのタンクを背負って散布する機械もありますが、この日は雨だったので使いませんでした。

そこでこの日は、歯ブラシで節の黒い部分を優しく擦って掃除することと、脇芽摘みを中心に行いました。着果部分にカイガラムシがいれば、それも歯ブラシで落としていきます。

注意したいのは、花の咲いた後の実がなる節(着果部分)まで一緒に取ってしまわないこと。とはいえ、もともとカビで弱っている部分は取れやすいので、力加減を見ながら丁寧に進めます。これがなかなか地道で、時間のかかる作業でした。大きな農園でこれを全部やるのは本当に大変で、自分のオーナーツリーだけでも手一杯。次回は晴れた日に、水鉄砲式の木酢液散布に挑戦してみる予定です。

ちなみに梅雨の時期は、雨で自然に洗い流されることもあって、すす病は少し落ち着いてくるそうです。

3年目のオーナーツリーで迷った話

作業のあと、3年目になる自分のオーナーコーヒーの木を見に行きました。花が咲いた後の枝に、脇芽がいくつか出ているのを確認。さて、これは摘むべきか、摘まざるべきか。

オーナーツリーの様子・節につき始めた花芽(蕾)

判断がつかなかったので、ひとまず一つだけ摘んで後藤さんに報告しました。すると、「3年目はまだ木を大きく成長させることが大事だから、脇芽はまだ摘まなくていい」とのこと。やはりそうか、と思いつつ、先走って全部摘まなくて本当に良かったと安堵しました。木の樹齢や状態によって、摘む・摘まないの判断が変わる——これも実際に通ってみて分かることだと感じます。

同じ3年目の木では、節のところに小さな花芽(蕾)がつき始めているのも見つけました。後藤さんによると、今後ここから花が咲くかもしれないとのこと。実がなる日を想像すると、今から楽しみです。

ザル1杯の脇芽と、この日のまとめ

摘んだ脇芽は、あっという間にザル1杯ほどになりました。雨も強くなってきたので、この日の作業は一旦ここで終了です。

ザル1杯の脇芽

しばらくは、この脇芽摘みとカイガラムシ駆除が続きそうです。地味な作業ですが、こうして一本一本手をかけることで、木が元気に育っていくのだと思います。

おまけ:持ち帰った脇芽と、農園の小麦

摘んだ脇芽は、お茶にもできるそうです。フライパンで煎り方を変えると、ハーブティーのようにも、ほうじ茶のようにもなるとか。摘んだ脇芽を捨てずにお茶にできるというのも驚きでした。実際に持ち帰って試してみたので、脇芽茶づくりについては別記事で詳しく紹介する予定です。

持ち帰った脇芽・洗って干した脇芽

また、この日はコーヒーハウスに小麦(食パン用のキタノカオリ)が干してありました。後藤さんによると、小麦を深煎りで焙煎して「小麦コーヒー」にする人もいるそうで、とても興味深い話でした。小麦の話も、いずれ別記事で触れたいと思います。

食パン用小麦 キタノカオリ

※雨の日の農作業の装備(カジメイクのレインパンツ)については、別記事でレビュー予定です。

まとめ

今回の作業で学んだことをまとめると、脇芽は枝の節(葉腋)から伸びる若い芽で、実や枝に栄養を向けるために必要に応じて摘み取る作業だということが分かりました。

また、節の黒いカビ=すす病には、木酢液を水圧で当てて洗い流す方法や、歯ブラシで優しく掃除する方法があることも教わりました。着果部分やカイガラムシにも注意しながら、一本一本地道に手をかける必要があります。

ただし、木の樹齢によって摘む・摘まないの判断は変わります。特に3年目の若い木では、まだ木を大きく育てることを優先する場合もあるそうです。

雨の中の地味な作業でしたが、こうして一本ずつ向き合う時間が、「木から杯まで」の大事な一歩だと感じた一日でした。

この農園でコーヒーの木のオーナーになった経緯や、後藤コーヒーファームの紹介、収穫した実から作ったカスカラの記録も、あわせてご覧いただけるとうれしいです。